保有楽器一覧

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Stradivarius

ストラディヴァリウス1736年製ヴァイオリン

ムンツ

  • ムンツ

特徴

裏板は二枚板で出来ており、不規則な杢目が水平に見られる。側板の杢目も同様である。頭部にも同様に不規則な杢目が見られるが、より小幅である。表板の中幅の木目は両端に向かって広がりを見せており、とりわけ低音側が顕著である。透明な黄褐色のニスが楽器のほぼ全体に綺麗に覆っている。この楽器は1737年に亡くなったストラディヴァリの最晩年の作品として知られ、この時期の作品によく見られる特徴として、左右のf字孔位置が非対称である。内部に貼られたラベルにはストラディヴァリ本人の手書きで「d’anni 92 (92歳)」と書かれている。状態も音色も最高ランクと称されている。

来歴

英国バーミンガムの有名な収集家でアマチュア奏者のH. M. ムンツが所有していたため、この名で呼ばれている。1737年に死去したストラディヴァリウスが最晩年に製作した楽器のひとつとして知られている。ストラディヴァリの末息子Paoloにより保存されていた楽器のひとつであり、1775年にCozio di Salabue伯爵に売却された。1831年楽器商タリシオよりパリに持ち込まれた。その後d'Amiens伯爵が約30年所有し、1862年にベルギーの収集家Wilmotteの手に渡った。1874年にパリの楽器商ガン&ベルナーデルより英国バーミンガムのH. M. ムンツが購入し、そこからヒル商会とHigginsのもとへ渡った。その後ドイツのアーヘンのTalbot博士により1937年のCremona Exhibitionへ出品された。そしてその後、米国の楽器商ジャック・フランセを通して米国のアマチュア・ヴァイオリン奏者で収集家のエフレイム・エングルマン(1911-2015)博士やシカゴ交響楽団の首席奏者を一時務めた著名なヴァイオリンの巨匠スティーヴン・スターリクの手に渡ったのち、ヴァイオリン奏者で楽器収集家のHoward Gottliebの所有となった。1997年7月、日本音楽財団は同氏より楽器商を通じて購入した。

証明書

ストラディヴァリウス1736年製ヴァイオリン「ムンツ」

1972年11月21日付 Walter Hamma & Co. Stuttgart (Walter Hamma), Jacques Francais宛て
1972年10月24日付 Jacques Francais, Howard Gottlieb宛て
1972年9月28日付 Jacques Francais, Howard Gottlieb宛て(コピー)
1969年4月8日付 Rembert Wurlitzer Inc., Steven Staryk宛て(コピー)
1950年2月6日付 Hamma & Co. Stuttgart

参考資料等

ストラディヴァリウス1736年製ヴァイオリン「ムンツ」

1997年6月9日付 Andrew Hill,日本音楽財団宛てレポート
1994年12月21日付 Bein & Fushi Inc. 日本音楽財団宛てレポート
1875年1月23日付 H. M. Muntzからの書簡

“Antonio Stradivari: The Cremona Exhibition of 1987” by Charles Beare (P294)
“How Many Strads?” by Doring (P335, P336)

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