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Stradivarius

ストラディヴァリウス1702年製 ヴァイオリン

ロード・ニューランズ

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来歴

このヴァイオリンは、英国のニューランズ卿(1825-1906)によって生涯大切にされていたことから、この名前で呼ばれている。この楽器はフランスのアマチュア奏者ウィッテリン氏によって長い間大切にされていたが、1876年に同氏が死去すると、ガン&ベルナルデルに買い取られ、1877年に有名な楽器商デヴィッド・ローリーに売却された。同年、同氏によってスコットランドに持ち込まれ、アマチュア奏者のウィリアム・クロール氏に売却された。クロール氏はこのヴァイオリンを1884年頃まで所有し続け、再びローリーの元に戻している。その後、この楽器は、ホージエ大佐、後のニューランズ卿に売却された。ニューランズ卿は生涯この楽器を保有し、死後は息子に受け継いだ。その後、アマチュア奏者のR.E.ブランド氏に売却され、同氏からW.E.ヒル&サンズに買い取られ、1921年にローダ・バックハウス嬢に売却された。その後1961年にW.E.ヒル&サンズによって買い戻され、1962年にダンバー氏の手に渡ったが、1964年には再びW.E.ヒル&サンズの元に戻されている。1982年、厳選された名器から成るコレクションを所有していたスハイルS.サバ氏に売却された。このヴァイオリンは、W.E.ヒル&サンズの所有する楽器の象徴として、1973年に英国バースで開催された古楽器名器展示会に出品された。日本音楽財団は2002年6月にエドモントン(ミュージック)社からこの楽器を購入した。

特徴

裏板はカエデの一枚板で、右上に向かって傾斜した美しい幅の異なる杢目が見られる。横板とスクロールにも同様の杢目が見られる。表板のスプルースの木目は、中心は細く、両端に行くほど幅はより広い。ニスはオレンジがかった鮮やかな黄金色である。

証明書

ストラディヴァリウス1702年製 ヴァイオリン「ロード・ニューランズ」

2002年6月20日付 John & Arthur Beare,日本音楽財団宛て
1994年11月28日付 Etienne VATELOT, Suhail F. Saba宛て
1982年5月17日付 W. E. Hill & Sons, Suhail F. Saba宛て

参考資料等

ストラディヴァリウス1702年製 ヴァイオリン「ロード・ニューランズ」

2002年4月5日付 Andrew Hill ,日本音楽財団宛てレポート
1982年5月17日付 W. E. Hill & Sons, Suhail F. Saba宛て来歴書簡
1921年4月15日付 W. E. Hill & Sons, Rhoda Backhouse宛て来歴書簡

Antonio Stradivari His Life and Work by W. E. Hill (P.50)

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