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Stradivarius

ストラディヴァリウス1714年製ヴァイオリン

ドルフィン

  • ドルフィン

特徴

裏板は二枚板で出来ており、杢目が板の継ぎ目から上に向かってやや不揃いに見られる。側板と頭部はさらに薄い杢目が見られる。表板には中程度の幅の木目が極めて均等に見られ、濃いオレンジと赤の中間色のニスはところどころ擦り減って、金色に見えている。ストラディヴァリの黄金時代の代表作として常に重要視され、W. E. ヒル & サンズ発行の書物には、ストラディヴァリが1714年から1716年に製作した三大名器「D. A. M」、つまり1714年製「ドルフィン」、1715年製「アラード」、1716年製「メシア」として言及されている。知名度の非常に高いヴァイオリンの一つで、評価に相応しい音色と仕上がりを備え、現存する最上級レベルの楽器といえる。

来歴

光沢の美しい裏板のニスと華麗な形状は、まるで優美な「イルカ」を思わせることから、1880年代後半にこの楽器を所有していたロンドンの楽器商ジョージ・ハートによって「ドルフィン」と名付けられ、以来、この名で呼ばれている。

この楽器は1862年にパリの楽器商ジャン・バティスト・ヴィヨーム(1798-1875)より、著名なアマチュア奏者のC.G.Meierが購入した。1868年にハートの手に渡り、1875年に楽器収集家、ジョン・アダムへと渡る。アダムは1881-1882年に当時世界的に名の知れた楽器商デヴィッド・ローリーにこの楽器を含むコレクションを手放した。その後1882年に英国北西部に位置するボルトン市在住のアマチュア奏者で収集家のリチャード・ベネットの手に渡った。1890年にベネットがドルフィンを含む楽器コレクションを手放したのち、ヒル商会を経て、1892年から1915年まで優れたアマチュア奏者のStothert夫人が所有した。その後ヒル商会を経て1915年に再びベネットが購入した。1926年、ベネットがドルフィンを含む楽器コレクションを手放し、ビスケット工場経営者として著名であったジョージ・ケンプ氏の手に渡った後、1950年にヴァイオリンの巨匠、ヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987)の手に渡る。その後1970年より、英国在住の香港人Cho Ming Sinによって大切に保管されてきた。2000年2月、日本音楽財団は同氏より購入した。

証明書

ストラディヴァリウス1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」

1970年7月28日付 William Moenning & Son, Inc., C.M.Sin宛て
1951年5月18日付 William E. Hill & Sons, Jascha Heifetz宛て
1933年1月2日付 W. E. Hill & Sons, G.H. Kemp宛て

参考資料等

ストラディヴァリウス1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」

2000年1月13日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1950年9月9日付 William E. Hill & Sons, Jascha Heifetz宛て来歴書簡

“Violin Iconography of Antonio Stradivari: 1644-1737” by H. K. Goodkind (P437)
“How Many Strads?” by Doring (P179)
“Antonio Stradivari His Life and Work (1644-1737)” P60/62

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