保有楽器一覧

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Stradivarius

ストラディヴァリウス1708年製ヴァイオリン

ハギンス

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来歴

このヴァイオリンは英国の有名な天文学者サー・ウィリアム・ハギンス(1824-1910)が所有していたことから「ハギンス」と呼ばれている。1870年代後半にウィーンのT.ザック氏がフランスから入手し、1880年頃、同氏から英国のW.E.ヒル&サンズの手に渡り、1882年にサー・ウィリアムに売却された。彼は生涯にわたりこの楽器を所有し続け、死後は、未亡人がこの楽器を売却し、W.E.ヒル&サンズが再び所有することとなった。次いで、W.E.ヒル&サンズから著名なアマチュア奏者で収集家のリチャード・ベネット氏に売却された。1919年にはW.E.ヒル&サンズの手に戻り、同年、著名な収集家フェリックス・カーン氏に売却された。1924年、カーン氏はこの楽器をニューヨークのルドルフ・ウーリッツァー社に売却し、同年、ブエノスアイレスで名器を多数所有していた収集家グスタボ・エルテン氏が購入した。その後、ズラコ・バロコヴィク氏がこの楽器を購入した。1931年、このヴァイオリンは楽器商エミール・ハーマンからニューヨークのチャールズ・ペチェック氏に売却された。1990年、ペチェック氏の相続人からソリストとして有名なチョー・リャン・リンがこのヴァイオリンを購入し、それ以来、演奏会及び録音で使用した。日本音楽財団は1995年3月にこの楽器を購入した。

特徴

裏板はカエデの一枚板で、右下に向かって傾斜した中程度の幅の美しい杢目が見られる。横板にも同様の杢目が見られる。スクロールにはやや控えめの杢目が見られる。表板はスプルースの二枚板で、木目は、中心は細く、両端に向かって僅かに広がり、波線を描いている。ニスは鮮やかなオレンジ色である。

証明書

ストラディヴァリウス1708年製ヴァイオリン 「ハギンス」

1995年3月27日付 John & Arthur Beare, 日本音楽財団宛て
1919年8月26日付 W. E. Hill & Sons, Kahn宛て

参考資料等

ストラディヴァリウス1708年製ヴァイオリン 「ハギンス」

1995年1月27日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1994年8月10日付 John & Arthur Beare, 日本音楽財団宛て来歴書簡
1945年4月27日-6月3日 ブルックリン美術館「アントニオ・ストラディヴァリ生誕300年、グァルネリ・デル・ジェス没後200年記念展」出展
1919年8月26日付 William E. Hill & Sons, Kahn宛て来歴書簡

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