保有楽器一覧

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Stradivarius

ストラディヴァリウス1710年製ヴァイオリン

カンポセリーチェ

  • カンポセリーチェ

特徴

裏板は美しい二枚板で出来ており、板の継ぎ目から下に向かって傾斜した幅広の杢目が見られる。側板の杢目も同様である。頭部には杢目はほとんど見られない。表板は良質の松材で、木目は両端で広がっている。ニスは、オレンジと赤の中間色である。当財団が購入する前、約30年間ベルギーのアマチュア奏者によって大切に保管されていたため、楽器の内側はオリジナルの状態が保たれている。全体的に保存状態が素晴らしく、ストラディヴァリの特徴をよく表した作品である。楽器の内に貼られたラベルは製作当時のものである。

来歴

フランスのカンポセリーチェ公爵が所有していたことからこの名前で呼ばれている。

このヴァイオリンはフランスの地方に在住していたTauziaというアマチュア奏者から1880年代にパリの楽器商ガン&ベルナーデル経由でカンポセリーチェ公爵が購入した。1889年公爵の未亡人から英国のヒル商会に渡り、翌年、英国ベットフォードシャーに在住していた愛好家のCaptain Audley Harveyの手に一時渡ったのち、1894年、米国ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館を創立したガードナー夫人の手に渡り、ボストンのヴァイオリン奏者で作曲家のマーティン・レフラー(1861 -1935)によって1928年まで演奏・保管されていた。その後、ニューヨークのルドルフ・ウーリッツァー社経由でシカゴのRalph H.Nortonの手に渡ったのち、ニューヨークの高名な楽器商エミール・ハーマン経由でストラディヴァリウスのクァルテットを所有していたKuhne博士の手に渡った。1937年にはクレモナ古楽器名器展にキューネ博士のコレクションとして展示された。20世紀後半、ベルギーのアマチュア奏者の手に渡り、亡くなるまで30年以上大切に保管されていた。2004年9月、日本音楽財団は遺族のDaniel Lejeuneより楽器商を通じて購入した。

証明書

ストラディヴァリウス1710年製ヴァイオリン「カンポセリーチェ」

2004年11月16日付 W.E.Hill, 日本音楽財団宛て
2004年9月6日付 W.E.Hill
2004年8月31日付 Jean-Jacques Rampal, 日本音楽財団宛て
1977年11月22日付 John &Arthur Beare, Joseph Deliege氏宛て
1894年7月17日付 W. E. Hill & Sons, Gardner夫人宛て

参考資料等

ストラディヴァリウス1710年製ヴァイオリン「カンポセリーチェ」

2004年11月16日付 W.E.Hill, 日本音楽財団宛て来歴書簡
2004年7月7日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1930年3月3日付 Alfred Hill, Kuhne博士宛て来歴書簡
1890年6月6日付 Duchesse de Camposelice, Alfred Hill宛て書簡

“Violin Iconography of Antonio Stradivari: 1644-1737” by H. K. Goodkind (P397)
“How Many Strads?” by Doring (P157)
1937 Cremona Exhibition Catalogue (P83)

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